遊水俳句2-2

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遊水俳句2 (その二)
 
四十三句
 
 
 
 
 

書き初めにおのが俳句をふたつみつ
この春は絵より書がよくなりにけり

 
猫柳瀬の音速くなりたるか
庭石の向こうにありて沈丁花

 
つくねんと庭石眺め春の雨
その土地にその土地だけの春もあり

 
いい春の季節じゃないか揚げ雲雀
大阪の急いてせかへん桜かな

 
そら豆の莢の大きなそら豆の
睡蓮に終日雨の降り続く

 
無意識にニキビをつぶす梅雨かな
採れ過ぎてしまいに足で潮干狩り

 
ネクタイの結び目ぐいと緩めけり
花ざくろ水琴窟の響きかな

 
姉妹して素足で浜に駆けてゆく
雑踏の上をすすいと鬼やんま

 
自転車を止めてしばらく夏木立
水打って一陣の風吹きにけり

 
三度目のシャワーを今日は浴びにけり
一面のひまわり畑立ち眩み

 
幾年か過ぎてひまわり震災地
ひまわりと見送る仲間ならび立ち

 
町はずれ「氷」の旗の揺れもせず
恋したらねこねこ仔猫ねこじゃらし

 
ひょうたんの小さいやつが二十四・五
台風の近付く白い波頭

 
コスモスや妻と二人の日曜日
柿実り人形劇の記憶あり

 
初恋や一房甘きぶどうかな
初恋の一房甘きぶどうかな 2015-08-22
伊予言葉、秋の祭りに聞いており

 
田沢湖が向こうに見える芒かな
振り向いた猫と目が合う月夜かな

 
秋の夜に表装のこと話題とす
彼岸花行雲流水吟詩行

 
秋深しデータベースを構築す
小夜時雨墓できたとの便りかな

 
小春日に妻の組む紐伸びるかな
山茶花や静かに老いを受け入れて

 
立冬や明朝活字美しき
ひょおんひょん鵯の枯れ枝渡りたる

 
水鳥を小石と散らし堀の水
外は雪、逆さに鶏冠滴りて

 
トリガーを引く一瞬の揺らぎかな