空を見ていた

●「うろこ」第十一号、そらをみていた

さえずりの まだぎこちない やぶのなか
さんぱつや あたまがはるに なってでる
ちかてつを おりてしんめの なみきみち

わがむねを まくらがわりに なつのたび
よみかけの ほんかたづけて なつぼうし
しゅうかくの うれしさわけて もらいけり 

あめのあと きんもくせいの よくかおる
あきにれを とびだすとりの おおさかな
ドングリや きょうはこうちゃに しましょうか

あかちゃんに えがおでこたえ ひなたぼこ
リンゴリンゴ リンゴのすきな きみがいる
たいおんの ちがいかんじる ふゆのよる

おそれずに いまならこいが できるかも
よくあさは かおをあわせず わかれけり
きずついて おちるゆうひが はやすぎる

じてんしゃを とめてゆうひの しずむまで
だいりせき みぎてをつよく おしあてる
トビがとんでいる そらをみていた